Case① 小規模個人再生
40代男性会社員。債権者6社で,負債総額700万円。原因は主にギャンブル・遊興費。負債額が大きく,任意整理は不可能。自己破産だと免責不許可事由に該当。会社員として20年以上勤務し,毎月5万円程度の返済が可能であったため,方針を小規模個人再生に決定。
財産は特になかったため,個人再生を利用した場合の最低返済額は140万円(700万円÷5)。
裁判所に申立後,毎月4万円弱×36か月で返済する再生計画案を提出。債権者からの反対もなく,無事認可された。
Case② 小規模個人再生(住宅資金特別条項付き)
40代男性会社員。住宅ローン2700万円+一般債権者300万円。住宅ローンを組んだ後の転職による収入減や家族の医療費が負債原因。自宅マンションを手放したくないが,税金や教育費の支払いまで考慮すると月3万円の返済が限界とのことで相談。
住宅資金特別条項の要件を満たすことを確認。他に財産がなかったため,個人再生を利用した場合の最低返済額は100万円。2万7777円×36か月の返済は可能なため,方針を小規模個人再生に決定。
裁判所に申立後,住宅ローンを約定通り支払いつつ,一般債権者に対しては上記3年間での返済計画を提出。債権者からの反対もなく,無事認可された。
Case③ 給与所得者等再生(住宅資金特別条項付き)
50代男性。1年前に自営業から転職し現在会社員。住宅ローン1600万円+一般債権者1400万円。自営時代の事業資金の関係で,個人としては負債額が多い。自宅を手放したくない,会社員に転職したため,住宅ローン以外に月7万円程度であれば返済可能という状況にて相談。
他に大きな財産はなく,個人再生を利用した場合の最低返済額は280万円(1400万円÷5)。これを3〜5年間で返済できれば個人再生が利用可能。3年間での返済は毎月7万7777円になり困難を伴うが,5年間であれば毎月4万6666円となるため,方針を個人再生に確定。また,大口債権者が再生計画案に反対する可能性があったため,債権者の同意を必要としない給与所得者等再生を選択。
裁判所に申立後,住宅ローンを約定通り支払いつつ,一般債権者に対しては,5年間,3か月毎に14万5000円を返済する再生計画案を提出し(毎月払いにしなかったのは,毎月にすると小口債権者に対する1回当たりの返済金額が小さすぎるため),無事認可された。